映画を観た。

(ビデオだが)

気分的に、DVDで観るよりビデオで観たい

心理が働く今日このごろ。

久しぶりにがっつりと真剣に観た。

ジェネオン エンタテインメント
天使のくれた時間 デラックス版


・・・良かった。

心にじんとするものがあった。

観ていてせつなくなったり、

ほっとしたり、

世界に入っていけた。


現実の人生で、いちおうの成功を収めた主人公。

13年前に空港で分かれた恋人がいた。

それが彼の「分岐点」だった。

あるクリスマスの夜、ショップでひょんな事から

「天使?」と出会ってしまう。

そして、天使にあるメッセージを告げられ、

次の朝目覚めると、もうひとつの人生の中にいた。

もうひとつの人生とは、

13年前に分かれた恋人と家庭を持っていたという物語。

夢か幻か、現実の記憶を持ったまま

もうひとつの人生の「日常」に放り出された主人公は

混乱してしまう。

そして、彼の考える失敗した人生の中、

成功している現実世界に戻りたいと願う。

しかし、しばらく過ごしてみると

彼の考える失敗の人生は

とても愛で溢れ、とても素晴らしいものだった。

人生に成功も失敗もない。

それぞれ形の大小はあるが、人は精一杯生きている。

そして、彼はいつしか現実世界には戻りたくないと

願うようになったのだった。


自分なりのあらすじを書いたが、

ニコラスケイジはもちろん、

特に相手役のティアレオー二が良かった。

物語後半の成功した彼女より、

13年目の結婚生活を送っていた彼女の方が、

とても魅力的にみえたのは自分だけではないと思う。


俗にいう普通の生活。

割引券に目を凝らして追う生活。

より安いものを求める。

単調な日常に、小さな驚きを見つけ幸せを感じる。

片や、

欲しいものは全部すぐ手に入れる事ができる生活。

おいしいものをたくさん食べれて、

いい車に乗り、豪華な家に住む。

普通、人が経験できないような経験をする事ができる。

普通の人たちがうらやむような生活。


双方とも、

その生活でしか経験できない貴重な時間がある。


極論的に、

極貧と富豪ほどの違いはないにしろ、

自分は深い内容だなと感じた。


時間は金では買えないし、

過去に戻り、やり直せる事もない。

ただ日々、その分岐店があった事に

気づく瞬間もなく過ごしているかもしれない。

今の自分の目は先の事しか考えていない。

過去は戻らないし、

今、こうした生活を送っているのも

自分が望んでいるからだ。

それに、今この時期だからこそなせる事、

考えられる事もあるし、得るものもある。

しかし、

ただ今一度自分の人生を振り返ってみる時間も

必要かもしれないと感じた映画だった。


そう考えてみると、とてもいい映画だった。